南蛮味噌のパスタ
実家から送ってもらった荷物の中に「南蛮味噌」が入っていました。
「コムラのなんばんみそ」は青森県南地方の保存食として明治時代頃から食べられていたとか。
南蛮味噌を食べたのは、本当に久しぶりでした。
というのも、7月に流行りのアレによく似た風邪をひいてから、味覚・嗅覚に異常が出て、しばらく味も匂いもない世界を彷徨っていたのですが。
ふと、食べたくなったものは食べ慣れた青森の食材だったのです。
青森を出てくる時、離婚をしたタイミングで、離婚の衝撃で家族も整理できないことが多々。そのことであまり関係が円滑とは言えず、どことなく「荷物を送って」と気軽には言えない自分がいたりね。
でも「食べたいな」って気持ちに正直になったタイミングでちょうど母に連絡することがあり、「もしよかったら送ってくれない?」とすんなり言えた自分を発見したり。
この2年ほど、とにかく自分の内面と向き合ってきたけど、本当に向き合うべきは「母」ではなく、「自分自身」なのだと改めて思いながらいたのです。
特別大きな何か?があったわけじゃないけれど、自分の中で未消化になっているようなことってありませんか?
そんなことも、自分自身の内側を丁寧に見て、受け入れ、自分自身を変化させていく。
そういうプロセスで人は軽やかになっていくのだと思います。
頼るのが怖い。
それは、「してあげたんだから、返して!」と言われるのが怖いという私の中の根深い記憶から来ていた感情。(かつて、そんなことがあったのはまた今度)
母とは、そういうところから「学び」のプロセスを与えてもらった。
離れてからもしばらく「怒られるのが怖い」が消えなかった私が、「すんなり母を頼ることができた」というのはとても大きな変化だったと思います。
そんなこんなで自分の変化がちょっと嬉しい気持ちで、荷物の中に入っていた南蛮味噌をとても懐かしく、ありがたく、いただきました。
以前勤めていたカフェで、南蛮味噌と太ネギを使ったパスタを出していて。
それが本当に美味しかったので、作ってみたくなりました。
だいたいこんな感じかな〜?と味を思い出しながら、作り方は自己流で。
ニンニクとオリーブオイル、鷹の爪を熱して、そこにネギを入れて焼き目がつくまで。
パスタの茹で汁と南蛮味噌を加えて、最後にパスタを少し煮詰めたら完成。
麹南蛮味噌を使ったので、コクがあって美味しい!
ネギのほんのりした甘味と、麹のコクがよく合います。
やっぱり、ふとした時に恋しくなるのが「故郷の味」なんじゃないかなぁ?
南蛮味噌のパスタをいただきながら、「帰ってみようかな」とすんなり思えるようになりました。
本当に幼少期からいろいろな体験をしてきているから、それなりに、人生で大変だったこと・辛かったことを体験している人に出会うことも多い私だけど。
誰にでも、いつでも言っているのは、「人生はいつからでも生き直せるし、自分の人生を生きられる」ってこと。
親子関係も、「親と向き合いましょう」「親と話し合いましょう」っていうのは実は必要なくて、自分の内側にどんな観念があるのか?に気付けたらそれを手放していくだけでよかったりするんです。
全てが自分の内側で完結するんだよ!なんて、辛い体験をしてきた人ほど受け入れるのに抵抗があるかもしれないけど。
特別なことじゃなくて、毎日の日常を丁寧に自分に正直に生きていたら、ちゃんと望む人生に舵を切れるから大丈夫なんだよね。
料理しながらそんなことを思ったりしています。笑
毎日、料理しながら、洗濯しながら、仕事しながら、散歩しながら。
どこにでも気づきと成長は転がってるってことを考えているのです。
大丈夫、大丈夫。
特別なことしなくても、もうみんな全て与えられているからさ。